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08 . December
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18 . August
文芸部部誌用小説を書き始め、同盟の企画に提出するイラストを書き上げました、寺音です^^
あれ? 今度の部誌は「ほのぼの」路線で行くはずだったのに、またまたくだらないどたばたコメディの予感^^;

ええっと、簡単に説明しますと、王子と姫と魔王が出てくる「よくある話」を寺音クオリティで加工した感じの話です(なんのこっちゃ)

今日は拍手のお返事をしたら、『春の夜』の第二弾を公開!(「続き」にあります)
※『春の夜』は
サイトのリレー小説『BRAVEs of Night』のネタばれを含みます。本編を全て読んで下さっている方対象となります。ご注意を。

では、拍手お返事から

ぁさぎさま
こんばんは、いつもお世話になっております。『春の夜』の件、友人に伝えておきます^^ そして、ギルの兄にコメントありがとうございます。
設定では、パーティー参加も戦闘参加もしない奴ですが、私の趣味でちょこちょこ出てくるかもしれません(笑)その時はどうぞよろしくお願いしますm(__)m
飄々とした奴ですが、いちおう有能ですよ。
それでは、春の夜お楽しみ下さいませ^^


今日はこの辺で。
それでは、続きから『春の夜』です。



 高校の前には公園があった。数少ない遊具に屋根と椅子のついた休憩場があるだけの小さな公園だ。休憩場は昼間、不良のたまり場にもなったりするのだが、その場にぽつりと人影が見えた。
 何故かはわからない。しかし春夜は吸い込まれるように、その人物のもとへ足を向けていた。近づくと、それは合羽をきた青年だという事がわかった。青年は椅子に座り、椅子の下には大きなゴールデンレトリーバーが地面へ寝そべっていた。どうやら散歩の途中らしい。
 春夜が青年の前に立つと、青年は春夜を見上げた。合羽のフードが、後ろへと落ちる。
「かさ」
「え?」
「桜の下を通ってきたんだね。桜吹雪を切り取ったみたいだ」
 電灯の白い光がうっすらと青年の茶色い髪を照らしている。黒々とした丸い瞳が春夜を映し、すっとその目が細まった。青年が、微笑んだのだ。
 春夜は、傘を下ろしてみる。すると、青年が言ったとおり、まるで吹雪いているのを止めて切り取ったように、桜の花びらが濡れた黒い傘に何枚もついていた。
「春夜くん、だよね?」
 名前を呼ばれ驚いて、青年のほうを見やると、青年は人懐っこそうな笑みを浮かべたまま、下にいるゴールデンレトリーバーを撫でていた。少し照れているらしかった。
しかし、春夜は彼のことを覚えてはいなかった。同い年ぐらいだろうから、もしかしたら高校で顔を合わせた事のある人物かもしれない。だが入学してからまだあまり日が経ってはないので、春夜が青年のことを知らなくともそれは仕方のないことだろう。すると、青年はこう続けた。
「ごめんね、上の名前はその……覚えきれてなくて。ただ、僕、春は好きなんだ。春の夜って素敵な名前だなって」
「君は……」
「僕はねぇ。秋、なんだよ。よかったら、ここ座って」
 青年の言葉の意味が分からず、春夜は言われるがままに青年の隣に腰掛けた。寝そべったままの犬が大きな欠伸をする。
「この子は近所の人の犬なんだけど、今そこ、旅行中で。その間僕が預かってるんだ」
「それで、こんな遅くに散歩しているの?」
「うん。僕のわがままに付き合ってもらっているの」
 春夜は青年の言うことの意味が、やはり理解できない。それでも、なぜか不快にはならなかった。青年がどうして自分のことを知っているのかも、春夜にはもう、どうでもよいことだった。同い年ぐらいの外見をしていながら幼い印象を受ける彼、その彼の言葉に耳を傾けていると、不思議なことに小さな安らぎが春夜の心を満たしていた。先ほどまで、あれほど空虚がはびこっていたはずなのに。
「小雨が……」
「うん?」
「小雨が振るとね、電灯の明かりが周りの空気につたわってぼんやり光るんだよ。それをみていると頭がぼうっとする。そうしたら周囲の音が消えて、かわりに何かたくさんの寝息が聞こえてくる気がするんだ」
 青年の白い頬が少しだけ赤らんでいる。何か新しい事発見した子供のように、彼は嬉しそうに語り続ける。
「あたたかいからかな、春の夜は。目にはみえない大きな大きなものに抱かれて、皆、木も虫も動物も安心して眠っているような、そんな感じがして。あのね、雨が止むと、空気が澄んで桜がはっきり見えるんだよ」
 脈絡の無い話。それでも彼の言葉には、隅々までみずみずしい感情がこもっている。春夜が家で聞く言葉とは、正反対だ。あそこで聞く言葉は、すでに激情を通り越し、からからに乾ききっている。それらが空っぽになった心に届いたところで、通り抜けるだけだ。
「桜って、何を思っているのかなって、時々考える。僕らは大抵彼らを見てきれいだなって思うんだけど、彼らは本当は別のさまざまな感情を抱えてるんじゃないかって。そんなことを思う時、僕は桜にありがとうって言いたくなる。そこにいてくれるだけで、嬉しくなるんだよって伝えたくなる。ぼんやり見ているのもいいんだけど、もっと桜をはっきり見つめてみたいと、そう、思うんだ」
「……じゃあ、雨が止むまで待たなきゃね」
 そうだね、と青年はまた微笑んだ。春夜の目を見つめながら。
 春夜は、目をそらす。内心動揺していたのだ。あんな真っ直ぐな笑顔を向けられたのは久しぶりだった。

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ちゃんと秋登場!

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